医療法人社団 参英会 岩佐耳鼻咽喉科

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頸・肩こりから生じる多彩な症状について

私達医師が日々診療を行っている中で、最初別々の原因と考えられたいくつかの症状が、実は一つの疾患から引き起こされていたという経験は少なからずあります。そもそも、耳、鼻、のどは外から見ると別個の器官ですが、内部では上咽頭(鼻の奥で、のどの一番上の部分)を介して直接つながっており、同じ粘膜で覆われているため、かぜをひくと鼻やのどの炎症が耳に波及して中耳炎を起こしたりするのです。

さて、頸から上の一見関連なさそうないろいろな症状を引き起こす原因の一つに頸や肩のこりがあります。私は長年、頸から起こるめまい(頸性めまい)に興味を持ってきましたが、研究していく内に、頸部はめまいだけでなく他にもいろいろな症状を引き起こしていることに気付きました。その代表は頸から上の各部位の痛みです。頸や肩こりに伴う頭痛は緊張型頭痛と呼ばれ一般によく知れ渡っていますが、痛みの方向が耳に向かうと耳痛を起こします。時々刺すような鋭い痛みが特徴で、よく中耳炎と間違われます。緊張型耳痛と呼んでもいいかもしれません。

こりにより圧迫された神経が、顔面の知覚を司る三叉神経に影響を及ぼすと、顔面の疼痛を引き起こします。前頭部(ひたい)、側頭部(こめかみ)、頬部(ほほ)、歯、舌などの痛みが代表です。もちろん、痛みの場所に副鼻腔炎(ちくのう症)や虫歯、舌の荒れ、あるいは三叉神経痛などあればそれらを原因と考えるのが原則ですが、見つからない場合はこりが次の候補になります。

図:人間の平衡感のコントロール

さらに、頸・肩こりは眼のチラチラ感、吐き気、発汗、動悸などの自律神経症状、耳鳴や耳のつまり感などの耳症状、顔面やのどの違和感、まぶたの痙攣、車酔いなど多彩な症状の原因となります。

頸・肩こりによる症状の診断

診断はいたって簡単で、これらの症状に見合う局所の病気がないことと、肩や頸の筋肉の腫れを確認し、後頸部の神経(後頭神経)に沿った圧痛を証明すればよいのです。

頸・肩こりの治療

治療法は、原因を解消するのが一番ですが、こりの原因は様々であり、よく分からないこともあります。一般には、睡眠不足、運動不足や運動のし過ぎ、悪い姿勢、眼精疲労、ストレスなどを減らすような生活改善が大切です。もちろん、頸自体に病気(ヘルニア、頸椎捻挫など)があれば整形外科的な治療が必要になります。これらの方法で治らなければ、こりを軽減させるような薬物療法、湿布、理学療法、マッサージ、神経ブロックなどを行います。この内、神経ブロックは痛みの悪循環を断ち、筋の過緊張を改善させるばかりでなく、血流改善、自律神経(交感神経)の鎮静化も図れるため劇的な効果が期待できます。当院でも必要な患者さんには積極的に行っていますのでご希望の方はご相談ください。

岩佐耳鼻咽喉科 医学博士 岩佐英之

このように頸・肩こりからは多彩な症状が起こりますが、共通しているのはストレス、睡眠不足、疲労などが誘引になることです。 薬に頼るだけでなく日常生活を見直してみることも大切だと思います。

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